グラビア印刷サービス グリーン基準ガイドライン

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90(1)商品類型No.102「印刷インキVersion2.2」(原文)1.環境的背景国内の印刷インキの生産量は446,351t(2000年)であり、アメリカに次いで世界第2位の生産量である。その用途は紙だけでなく、食品包装用、建材....

90(1)商品類型No.102「印刷インキVersion2.2」(原文)1.環境的背景国内の印刷インキの生産量は446,351t(2000年)であり、アメリカに次いで世界第2位の生産量である。その用途は紙だけでなく、食品包装用、建材用など非常に多岐にわたって使用されており、特に今日の情報化社会においては、新聞・雑誌などの情報媒体の印刷などに欠くことのできないものとなっている。印刷インキは、樹脂を溶かすための揮発性有機化合物(VOC)を構成成分として含むものもあり、印刷インキの種類によっては、印刷工程においてVOC成分が蒸発・飛散するものがある。VOCは、自律神経異常や頭痛、吐き気などの人体への影響があるものが多く、トルエンやキシレンなど一部の化学物質については、吸入暴露により、神経行動機能や生殖発生に影響を与えることなどが確認されている。また、大気中で光化学反応を起こす光化学オキシダントや、近年では、化学物質過敏症などの健康に関する問題が発生しており、工場などの発生源からのVOC排出を低減することが重要な課題となっている。印刷インキを製造する事業者は、溶剤のアロマフリー化、ノントルエン化による作業環境の安全に関する取り組みと併せ、水性化によるVOC排出低減に取り組んできた。1997年に制定されたエコマーク商品類型№102「オフセット印刷インキ」では「平版インキ」および「新聞インキ」を対象とし、オフセット印刷インキのアロマフリー化を推奨してきた。その結果、認定基準の制定より5年を経て、オフセット印刷インキの約9割がアロマフリーインキに転換(印刷インキ工業会推計)されるという普及状況となり、大気汚染の軽減につながった。今回、本商品類型を見直すにあたり、これまで対象とされていなかった印刷インキも含め、VOCをさらに低減した印刷インキを推奨することで、一層の大気汚染防止や印刷工程における作業環境改善に資することとした。また、ビヒクルに植物油を使った印刷インキは、VOCの低減が期待できるだけでなく、枯渇資源である石油資源の使用を回避できる。本商品類型は、植物油を使用した油性印刷インキについても採り上げている。一方、印刷インキの組成の見直しによるVOC低減と、印刷工程に用いられるエネルギの低減は二律背反する。今回の見直しにあたっては、ライフサイクル全体を通じ環境負荷の少ない印刷インキを推奨するという観点から、印刷インキ中のVOC低減に主眼を置きながら、印刷時のエネルギ消費についても検討を行った。また、古紙リサイクルにおける印刷インキの脱墨性や、製造工程や廃棄時の化学物質排出などにも配慮した認定基準としている。2.対象経済産業省・化学工業統計年報の印刷インキ品目において、以下の分類に該当する印刷インキを対象とする。A:平版インキおよび新聞インキB:グラビアインキ「グラビアインキ」に分類される印刷インキ。ただし、出版用グラビアインキを除く。C:樹脂凸版インキD:その他のインキ「その他のインキ」に分類される印刷インキのうち、乾燥方式が紫外線硬化型の平版印刷インキ、平版印刷用の金インキ、および平版印刷用の銀インキ3.用語の定義芳香族成分:日本工業規格石油製品の成分試験法(JIS K2536)を印刷インキ溶剤に準用して検出される芳香族炭化水素化合物。VOC(揮発性有機化合物)成分:WHO(世界保健機構)の化学物質の分類において、「高揮発性有機化合物」および「揮発性有機化合物」に分類される揮発性有機化合物。植 物 油:亜麻仁油、桐油、大豆油、および脱水ひまし油など。樹   脂:印刷インキ中の処方構成成分として用いられる高分子材料成分。再生材料:ポストコンシューマ材料またはプレコンシューマ材料からなる材料(食用廃油など)。5 エコマーク商品認定基準等