GPJapan 2013年9月号 page 3/4
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概要:
つのか、印刷テストを繰り返してきた。200m/分の同一条件で、FX レーザー10μ m、サカタインクスのハイソリッドインキ、レーザー版版深14μ m、彫刻版版深40μ m、サカタインクスのベルカラーインキで、フィルムはフ....
つのか、印刷テストを繰り返してきた。200m/分の同一条件で、FX レーザー10μ m、サカタインクスのハイソリッドインキ、レーザー版版深14μ m、彫刻版版深40μ m、サカタインクスのベルカラーインキで、フィルムはフタムラ化学、印刷は千代田グラビヤで、インキの使用量、VOC が本当に減るのかを試験。彫刻版との比較で、25%のインキ、VOC の大幅な削減ができた。グラビア製版のクロムめっき 耐刷性のばらつき、セルボリュームの不安定、濃度のばらつき、グラビアインキの慢性的なインキかぶり、ツーツー汚れなど、すべてがクロムめっきのせいではないが、製版にも問題がある。 従来は破壊して測定していたが、データ入手に時間が掛かるため、クロムに関しては分からないことが多いことが課題である。 クロムめっきの原理は、六価が三価→二価→ゼロ価になる多段階の反応を踏んでいる。 電流密度は、シリンダー全体の面積に対して、どれだけの電流を流すかということだが、半没や1/3没など様々な浸漬方法があるので、その場合は浸漬しているカソード面積に対する電流で計算する。 電流効率は、クロムの実測析出量を理論析出量で割ったもの。理論析出量は1ファラデーの電気量でどれだけ金属が析出するかを計算して考える。銅めっきでは95%ほどの銅が電析するが、クロムの場合は1/5程度しか使われない。 電流密度が高ければ効率は上がっていく。ただ、電流密度ばかり上げても光沢のないめっきになる。温度を下げていくと、同じ電流密度でも効率は上がっていく。 膜厚の測定は、クロム付きのバラードを10×10cm の一定面積の重量を量り、塩酸でクロムを溶かした後に重量を量る原始的な方法で測っている。 電解法は、専用の電解液で一定面積でクロムを電気的に溶解し、電流量から膜厚を測る方法。 蛍光X 線法は、試料にX 線をあて元素固有の蛍光X 線を測定し膜厚を測る。「アワーズテック100-FA」による測定から、クロムの色だけでクロムが付いていると判断してはいけない、白金アノードの劣化は部分的に始まり、放っておくとどんどん酷くなる。アノード不良の他、めっき液の三価クロムの上昇や重金属が増えていることが分かった。 現状は、それなりに管理された状態のクロムめっきが得られるようになってきた。この状態のクロムめっきでグラビアセルの凹凸に対してクロムめっきが実際にどのように付いているか。シリンダーに絵柄のある部分とない部分を腐食法と彫刻法で作り、クロムめっきをして、それぞれの部分の厚みを測定した。 断面撮影法による評価は、彫刻版の絵柄のある土手のある部分の膜厚は、絵柄のない膜厚に比べてかなり薄くなっている。対して、彫刻ではクロムの厚みは殆ど変わらないことが分かった。絵柄のある部分の膜厚が絵柄なしの部分に比べて薄くなるのは、表面積の高い部分での電流密度低下による電流効率の低下もあると考えられる。 クロムめっきはRoHS 規制などで厳しい環境にあり、今後も生き残これるかは難しいが、物性的には良いものなので、DLC に置き換わっていくにはもう少し時間がかかるのではないか。ただ、今までのところDLC が耐摩耗性などでは一番良いのではないか。ニッケル・タングステンめっき、三価クロムなども出てきているが、摩耗性ではDLC に可能性がある。凸版印刷㈱伊藤竜男氏8 GPJAPAN 2013.9