GPJapan 2013年2月号

GPJapan 2013年2月号 page 7/12

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第7回 地球温暖化防止実行委員会セミナー報告(3)SOMA FLEX 国内2 号機設置にあたってハイデルベルグ・ジャパンはドイツ・ハイデルベルグ社製のオフセット印刷機の販売、メンテナンスを中心に日々お客様の成功と....

第7回 地球温暖化防止実行委員会セミナー報告(3)SOMA FLEX 国内2 号機設置にあたってハイデルベルグ・ジャパンはドイツ・ハイデルベルグ社製のオフセット印刷機の販売、メンテナンスを中心に日々お客様の成功と満足をテーマに活動を続けていますが、島崎社長からもお話がありました水性フレキソプロジェクトの一員として立たせていただいております。印刷業界は、さまざまな問題への対応が求められております。VOC、CO 2 、電力量などの削減、いわゆる地球環境保護、あるいは残留溶剤、食の安全、溶剤の価格高騰などマーケットの環境も日々変わっています。今日も何度か「胆管がん」というキーワードが出ましたが、皆様の会社で働くスタッフの皆様方の健康を守るための職場環境、工場環境問題。この中には、毎年消防法対策に多大なコストとストレスを余儀なくされている皆様も少なくないのではないでしょうか。これら様々な問題を広義の環境問題と定義し、問題の対策、打開案の1 つとして、ハイデルベルグ・ジャパンは水性フレキソ印刷機の取り扱いを始めました。ご存じの通り、フレキソ印刷というと美麗性を求められる印刷には向かない、乾燥性が悪いというイメージがありました。そこに解決策があることが分かっていても誰も踏み入れない分野でした。しかし、水性フレキソプロジェクトには精好堂様がいらっしゃいます。インキの技術開発にご協力いただきました、大日精化工業様がいらっしゃいます。何よりもトーホー加工様の強力なリーダーシップにより今日を迎えました。今年、AFTA にてトーホー加工様が日本から初めて参加されたにもかかわらず、金賞と最高作品賞を受賞されました。そして、トーホー加工小山工場に水性フレキソ印刷資料館が開設されました。まだ行ったことのない方は是非足を運んで下さい。様々な包材がオープンに展示されています。それらのベースとなる技術の展示もあります。プロジェクトチームの思いがこもった資料館になっています。そして、このプロジェクトチームにはもう1社いらっしゃいます。オフセットの雄、金羊社様です。小山工場にSOMA 社の水性フレキソ印刷機日本国内第2 号機を搬入する予定です。1890年代まで遡りますが、SOMA 社は元々はチェコの国営企業でした。簡単に申し上げますと、高い技術と誇りを持った技術者集団です。ドイツの高品質な部品を使い、組み立ては一切外注しません。安かろう悪かろうのものを作るのではなく、お客様の利益に還元できる技術は何かを追求して常にハイクオリティな機械を提供することを考えている会社です。そのSOMA 社が今年のdrupaで発表した新しい水性フレキソ印刷機が「PREMIA」です(図5 )。まず、最大印刷速度が速くなりました。PREMIA はトーホー加工様でお使いいただいた「MIDI」に基づいて、様々なアイデアが一部SOMA 社内では「トーホー式」と呼ばれるようになり、技術として詰め込まれていることも付け加えておきます。CTPS というSOMA 社の特許技術があります。機械なので、早く回れば回るほど熱を持ちます。この熱は印刷品質に対して多大な影響を及ぼします。CTPS は印刷品質に熱の影響が及ぼさない仕組み。そして、印刷機が回ることによって工場内が暖かくなります。せっかく省電力仕様で作ったのに、工場の空調代でコストがかかってしまったら意味がありません。アンワインド、リワインドは、従来はハード方式でした。アームの部分にロールを差し込む。問題点としては大型化、高速化すると振動が生じます。もう1 つ、オペレーターの操作性を考えるときに、今回採用したのはクランビングチャック方式というロールを両サイドから挟み込む方式。大型化したことによってアニロックス、印刷の版スリーブのハンドリングが非常に大変になりますので、オペレーターの負担を減らす仕組みも採用されています。迅速なジョブチェンジを可能にすることにより、工場内あるいは機械の非生産時間を減らし、実稼働率、お金になるものを刷っている時間を増やすための技術革新でもあります。もう1 つ、大きな進化としては、ファルコン2 という自動見当印圧調整機能。今までは勘と技術と経験に頼っていたところがありますが、これからは数値管理も重要になります。水性フレキソ印刷資料館に是非足を運んでいただき、ご覧になってハイデルベルグ・ジャパン㈱プロダクトマネジメント印刷・後加工課曽篠 靖之 氏GPJAPAN 2013.2 37