GPJapan 2013年2月号

GPJapan 2013年2月号 page 4/12

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概要:
溶剤回収して燃焼するとこの部分はなくなるので、CO 2 排出量と比較するとトレードオフの関係になっていると思います。溶剤の使用量が減る分、残留溶剤も実測例をサンプルにして80%ほど削減することもでき、臭気問....

溶剤回収して燃焼するとこの部分はなくなるので、CO 2 排出量と比較するとトレードオフの関係になっていると思います。溶剤の使用量が減る分、残留溶剤も実測例をサンプルにして80%ほど削減することもでき、臭気問題が大きく軽減できる結果になりました。印刷インキ工業連合会がインターネットに載せている「環境対応型印刷インキに関するアンケート」によると、2009年の水性インキの生産比率は6.4%と非常に少ない値ですが、我々も技術を囲うことなく、お仲間を増やしながら広めていきたいと思っておりますので、皆さんとともに環境に良いということで、解決方法の1 つとしてご協力を賜ればありがたいと思っております。水性フレキソ用ラウンド刷版本来、我々はフレキソ製版なのでなかなかこういうグラビア業界の皆さんの前で話す経験もなく、大変とりとめのない話になるかもしれません。また、フレキソ版はグラビア業界から見ますと、柔らかくて、ぷるぷるして頼りないといったイメージを持つ方もいらっしゃると思います。そもそもこの場に私が立たせていただいているのも、2010年にトーホー加工様が水性フレキソ印刷に着手されたのがご縁です。そのことをスタートに今日までどのような取り組みをしてきたか、我々が何をやってきたのか、これについての話になります。そこで重要になってくるのはプロジェクトチームという概念でした。トーホー加工様が水性フレキソに着手した時点で、10年から遡ること1 年程前からプロジェクトチームとして、何をしていこうかということをずっと議論してきました。2009年にプロジェクトチームが結成されて、トーホー加工様、ハイデルベルグ・ジャパン様、大日精化工業様、そして私どもでスタートしました。約1 年後にテスト稼働が始まって基礎となるデータ収集を始めます。フレキソの大きな特徴としてCMYK、特色を使わずにプロセスで再現しようという試みと、プルーフと印刷物をどれだけ近づけられるのか。この2 点が、プロジェクトがスタートしたときに事前に挙げられていた大きな技術的課題でした。2010年7 月の稼働からほぼ1 年後、1 年間活動してきて我々の立脚しているこの地点は技術的に見るとどのくらいのところにいるのかを客観的に評価してみようということで、アジアフレキソ技術協会のコンテストAFTA へ参加。ASEAN を中心に約16カ国、200を超える企業体がコンテストに参加していますが、そこで金賞、Best ofShow 賞のダブル受賞をいただいて、我々の技術は客観的に見てアジアの中で最高位に至ったと、勿論満足するわけではなかったのですが、我々の進んできた方向は間違いないという1 つの確証を得ました。フレキソ刷版は皆様もよくご存じだと思いますが、各印刷方式によって差が出るということです。フレキソの特徴として「ハロー」、後光が差しているという意味ですが、本来の印版のシェイプ、そこからはみ出た被印刷体のところにインキが転写してしまうこと。ここが、フレキソが美しく印刷できない大きな要因になっています。これをどのように最小化していくのか。理想はオフセットのように濃度ムラがなく、画像全体にきちっとしたインキをのせる版をどう作るかが、製版業者としてプロジェクトチームに加わった私どものミッションでした。プロセスの拡大写真を見ると、オフセットとフレキソは非常によく似た色の作り方になります。ですから、色分解という見地から言うと、フレキソはオフセットに近いことになります。余談になりますが、フレキソはフレキソグラフィの愛称というのは皆さんご存じだと思いますが、フレキソは1968年にアメリカで認証があってフレキソになりました。フレキシブルであるということから転用されています。何がフレキシブルかというと、版がフレキシブルであったからですね。釈迦の耳に説法になると思いますが、グラビアも元々はフランス語で版画のことであったと聞いています。それが写真を使って凹版を作るところからフォトグラビアになり、輪転をするからロトグラビアになり、グラビアになっていく。これも版式から名㈱精好堂島崎 憲治 代表取締役社長34 GPJAPAN 2013.2