GPJapan 2013年2月号

GPJapan 2013年2月号 page 1/12

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第7回地球温暖化防止実行委員会セミナー報告(3)グラビア、フレキソ、インキ、製版水性化で環境負荷低減、作業環境改善地球温暖化防止実行委員会(川田善朗実行委員長、事務局:関東グラビア協同組合、東京都墨田....

第7回地球温暖化防止実行委員会セミナー報告(3)グラビア、フレキソ、インキ、製版水性化で環境負荷低減、作業環境改善地球温暖化防止実行委員会(川田善朗実行委員長、事務局:関東グラビア協同組合、東京都墨田区業平1 -21- 9、TEL.03-3622-1895)は、平成24年11月27日(火)午後1時半より、東京・すみだリバーサイドホールにおいて、320名の参加者を集め、第7回セミナー「環境対応は新たなステージ-水性化による衛生・作業環境改善チャレンジ!」を開催しました。水性関連のテーマを多数取り上げた今回のセミナーでは、インキやフィルム、機械メーカーなどから計11名による発表が行われました。今回は、富士特殊紙業の川合信行氏、精好堂の島崎憲治氏、ハイデルベルグ・ジャパンの曽篠靖之氏、東洋インキの安田秀樹氏の講演を紹介します。人と環境にやさしい水性グラビア印刷私どものグラビア印刷の水性化は1996年からで、今年でちょうど16年になります。始めた当時は、印刷の職場はきつい、汚い、臭いの3 Kで、新しい人が来ても離職率が高い、印刷の作業場に富士特殊紙業㈱技術開発本部執行役員就く人が少ない、などい川合信行本部長ろいろな問題があり、1地域環境や職場環境を含めた地球環境問題、2化学物質の安全性問題への対応、3当時有機溶剤の排出規制が強くなる各種法律の改正、施行に対応、4顧客満足のために残留溶剤にまつわる臭いの問題などに対処しようということで、1~4にわたり、なんとか改善できないかということで水性グラビア印刷の開発を始めました。環境にまつわる法律、特に炭化水素化合物の排出規制にまつわる法律が各種ありますが、私どもにかかわる法律としては、改正大気汚染防止法やPRTR法、悪臭防止法、労働基準法、消防法などの法律があります(図1)。これに対して水性グラビア印刷はどのような位置付けかというと、改正大防法は排出基準700ppmCをクリア、有機溶剤の排出を油性印刷と比較して85%ほど減らすことができます。また、PRTR法、改正大防法はトルエン等を扱っていないので規制の対象外。ISO14000は省資源、省エネルギー等、地球温暖化防止にかかわる精神に則ったものなので、有機溶剤の削減はその精神に則ったものと理解しています。労働基準法は、国が指定する化学物質を使用していないため化学物質等に起因する疾病のリスクを防げる。消防法は、水性インキの原液は対象外となるので残留のリスクが軽減されます。溶剤をなくすことで良い利点が出てきます。われわれが水性グラビア印刷を始めたのと期を同じくして法律の施行や改正が行われ、国としても有機溶剤の排出規制を決めていこうという状況でありました。経産省が当時発表した「VOC排出規制の手引き」から引用すると、諸外国はアメリカ、カナダ、EU、イギリス、ドイツ、韓国といった国々の例が挙がっていますが、同じように施行の1990年以降、各々環境法を整備しながら排出規制を強めていこうというものです。特にドイツは90年比70%削減まで来ています。そういう意味では日本と同じような歩調、もしくは日本が世界に歩調を合わせたような形かもしれませんが、このような状況です。GPJAPAN 2013.231